序文:10年間の創作を経て

『Maximumの書』は、創作プロジェクト「Maximum」における中心文書であり、同時に、その存在証明である。

Maximumとは、単なる作品群の名前ではない。 それは、長い時間のなかで生まれ、壊れ、移り変わり、再編されてきた無数の創作の到達点である。BaconPasta、TASWELL、KOSUGI、Condae、Bluestar――それぞれの時代において生まれた思想、構造、言語、物語、記録、名前、失敗、断片は、ここに至ってひとつの体系へと収束した。

この書は、Maximumを説明するためだけの書物ではない。 Maximumを保存し、更新し、定義し、時には裁定するための書物である。ここに記される内容は、固定された過去ではなく、現在もなお変化し続ける創作の記録であり、未来のMaximumを形づくるための基準でもある。

創作とは、完成したものを並べる行為ではない。 むしろ、未完成のまま増殖し続けるものに名前を与え、混沌のなかに秩序を見いだし、秩序のなかに再び混沌を招き入れる行為である。Maximumは、そのような創作の運動そのものを受け入れるために存在している。

ゆえに、『Maximumの書』は逐次更新される。 それは欠陥ではなく、この書の本質である。Maximumが変化する限り、この書もまた変化し続ける。新たなページが加わり、古い記述が改められ、かつて未整理だったものが体系へと組み込まれていく。その過程こそが、Maximumの生命である。

もしこの書が失われるなら、それは単なるページの削除ではない。 Maximumを定義し、継承し、再び立ち上げるための中心が失われることを意味する。したがって、『Maximumの書』の消滅は、Maximumそのものの終わりである。

ここから記されるのは、ひとつの創作体系の記録であり、宣言であり、未完の地図である。 Maximumは終わらない完成品ではなく、終わり続けることで生き延びる創作である。

この書をもって、Maximumは自らを記録する。 そして、この書が更新される限り、Maximumは続いていく。

第1幕:PAST

Maximumの過去は、単なる前史ではない。

それは、Maximumという現在の創作体系が成立するまでに蓄積された、試行錯誤・拡張・崩壊・再編の連続である。

この第1幕では、Maximum以前の時代を、ひとつの連続した創作史として記録する。ここに登場する各プロジェクトは、それぞれ独立した時代であると同時に、後のMaximumを準備するための段階でもあった。

BaconPastaは原点を与え、TASWELLは構造を与え、KOSUGIは厚みを与え、Condaeは名義と記録を与え、Bluestarは統合直前の整理を与えた。そして、それらすべてを受け継いだものとして、Maximumは現れる。

第1章:太古

太古とは、Maximumという名前がまだ存在しなかった時代である。

この時代に明確な制度や体系はなかった。だが、創作の衝動そのものはすでに存在していた。世界をつくること、名前をつけること、架空の歴史を考えること、物語や設定を積み重ねること。まだ整理されていないそれらの断片は、のちにMaximumへ流れ込む源流となった。

太古の重要性は、完成度ではなく、方向性にある。ここには、後のMaximumにおいて繰り返し現れる要素――架空世界、言語、歴史、分類、記録、体系化への欲求――の萌芽がある。